ODD TAXIレビュー

ODD TAXIをみた。話題になっていたのはかなり前なので遅ばせながら見た。

内容の評価は是々非々で、文句なしの満点ではないが、私は見る際にほとんど一気に見て、映画も一気に見たので面白さの面では間違いなく一級品であると思う。

(以下、ネタバレを大いに含む)

 

先に欠点、というかなぜ是々非々なのかという点を書いておきたい。

これは単に私の読書歴の一部のせいでもあるのだが、群像劇かつ推理小説という分野では僕は伊坂幸太郎のファンであるため、伏線の絡み方や事件の真相への迫り方、またクライマックスでの十億円争奪戦などの書き方はどうしても伊坂の方が上だと感じてしまったから、というのがあげられる。

他の方のレビューをほとんど見ていないのだが、「陽気なギャングが地球を回す」シリーズがまず思い浮かぶ。あれは超能力を持つ登場人物であるが、今回も白川さんのテコンドーや田中の執念、また反社会勢力の力などは適切に都合よく書かれている。

物語の動かし方という点で、伊坂のうまさがチラついてしまっているのが私の脳内体験にあった。

 

また、物語の登場人物の背景や抱える困難、過去のトラウマなどが現代日本、というか2010年代後半から末期の東京人(生まれはどうとして東京に住む人たち)の課題や問題にフォーカスしていて、物珍しさを感じなかった。薄いのである。別に他の地方の問題なら薄くないということではなく、なんというかTwitterでみたような悩みが多いのである。

主人公の謎も少々パンチが薄かった。

また、劇場版についてもあまりにお粗末な前半から中盤であった。水増しが過ぎる。

劇場版は最終話のその先を見せてくれたラスト10分を見るための2時間であり、使い回しが多すぎたのが問題点であった。ラストに関してはとても面白かった。

 

とはいえ、とはいえだ、私は昼に二話まで見てそこから気になって仕事を終えた後深夜から最後まで見てしまったので多くの長所がある。

まず、先程薄っぺらいといったが一部のキャラクターはとても面白い。

主人公の小戸川、ヒロインの白川、チンピラのドブなどは底知れなさもあり、初めの印象と異なる性格や働きを終始に渡って見せてくれる。

小戸川はトロイようで洞察が鋭いし、実行する内容に意外性がある。また、謎を多く抱えているし、最後まで視聴者をハラハラさせる。また、信頼できない語り手として最後に謎を開示するキーともなっている。

 

書いていて思ったのだが、小戸川の視点が動物になっていた、というのは見ているときはとてもそうか!と思ったのだが、物語全体として動物に見えることがキーとなっていたり、謎や事件を解く鍵にはなっておらず、だからなんだよという思いが拭えない。押し入れの中の監禁者ともミスリードしていたのも、最終的には猫だったのだが、それならばミステリーキッスのメンバーも猫を入れるべきではないし、猫を登場人物として出さず、「なぜ猫は存在しないのか?」という謎があって然るべきではなかったか。

 

終盤の展開が面白かったし、剛力が小戸川の出自の謎を解きにいく旅行の様子は村上春樹騎士団長殺し海辺のカフカのような印象を受けた。白川さんはあざといかわいさがあり、初めの謎の導入として面白い魅力がある、

 

正直サブキャラたちは魅力的とは思えなかった。嫉妬していたり同族嫌悪を覚えたからかも知れない。

 

欠点を見つけず、「この先どうなるんだろう?」「このキャラはどうするんだろう?」という面についてはとても面白いし、キャラの動きも交錯していく様子が面白い。

 

ただ柿花はとにかくかわいそうだしみすぼらしいし見ていられない。本人も気づきながらそれを演じている様子が悲しい。柿花自体は事件を知らずに動かしていく良い狂言回しなのだが、悲哀も薄っぺらいし、小戸川が彼を助けに行くのも小戸川からしたら親友なのだろうが、私にはそこまで感情移入できなかった。ただ、助けた後にタクシーで笑い合うシーンはとてもよかった。

3月6日

今日はナビエストークスから渦度方程式を導出していく過程の半分ほどを進めた。

ベクトル解析の使い方の復習も兼ねた。

ギガ本はやりたいことがはっきりしているが、条件が完全に一般的でないので、自分で直すプレッシャーを感じてしまう。

 

また、院試の問題を印刷して、一瞥した。ぱっと見ルベーグの収束定理を使うんだろうが、どう解くかまだわからない。

 

休んでいる間は授業の環論を復習していた。

 

また、Rudinを少しでも読みつつ、他の科目の復習をする。

 

 

明日はゼミ。